主な頭頸部がん
主な頭頸部がん
咽頭とは鼻の奥から食道の入り口までを言います。
3つの部分に分かれていて上から「上咽頭」「中咽頭」「下咽頭」と続きます。
がんが咽頭のどの部分にできるかによって症状が異なりますが、咽頭がんを疑う症状としては以下の通りです。
などがあります。
これらのうち1つでも当てはまる症状がある場合は耳鼻咽喉科で診察を受けましょう。
また、ヘビースモーカーやたくさんお酒を飲まれる方は下咽頭がんのリスクが高いため年に一度は耳鼻咽喉科でのチェックをお勧めします。
「痛くないから大丈夫と思っていた」という方が多くいらっしゃいます。小さいうちは痛みを伴わない事が多いので注意して下さい。
喉頭は、いわゆる「のどぼとけ」のところにある器官で、空気の通り道というだけでなく、声帯を振動させて声を出すという働きもあります。
また、飲食物を飲み込むときには、喉頭蓋(こうとうがい)と呼ばれるフタを閉じることにより、飲食物が間違えて気管に入ること(誤嚥:ごえん)を防いでいます。
主な症状としては、以下の通りです。
これらのうち1つでも当てはまる症状がある場合は耳鼻咽喉科で診察を受けましょう。
また喫煙と飲酒は喉頭がんの発生に関連があります。タバコをたくさん吸われる方や、お酒をたくさん飲まれる方は喉頭がんのリスクが高いため年に一度は耳鼻咽喉科でのチェックをお勧めします。
口の中にできるがん全般を指して「口腔がん」と呼びます。口腔がんの半分以上を舌がんが占めています。その他、口腔底(下顎粘膜)、硬口蓋(上顎粘膜)、頬粘膜、口唇などにがんが生じることもあります。
口腔がんは、やや男性に多いがんです。
口腔がんの症状としては、口内炎様病変やしこり、痛みが2週間以上改善なく、持続する場合は要注意です。判別も難しく、口内炎だと思って受診したら口腔がんだった、というケースもあります。
首のリンパ節の腫れ、舌の動きの低下、粘膜の硬いしこりなどの自覚しやすい症状も見られますが、これらはある程度進行してから表出するものです。
口の中の色の変化、口内炎に似たような症状がなかなか良くならないというときには、すぐにご相談ください。
喉頭癌と同様、耳鼻咽喉科領域の癌の約25%を占めます。副鼻腔の中の上顎洞から発生するものは上顎洞癌と呼ばれ、骨に囲まれている空洞のため発見が遅れがちです。初期症状としては、片方だけの鼻づまりや鼻出血などが認められます。
癌の発育方向によっては、物が二重に見える、頬が腫れる、上あごが腫れてくることがあげられます。ちくのう症と間違いやすいため、レントゲン写真で疑わしい場合には、CT、その他精密検査を受ける必要があります。
主な治療法は、上顎洞を栄養している動脈から抗癌剤を注入する方法、放射線治療、手術の三者併用療法があります。
唾液腺は耳の下に存在して「おたふくかぜ」の際に腫れる耳下腺、顎の下にある顎下腺、舌の裏に存在する舌下腺といった大唾液腺と、口腔、咽頭に無数に存在する小唾液腺に分けられます。
一般に、食事が口に入ったときに分泌される唾液は耳下腺から、安静時特に睡眠中に分泌される唾液は主に顎下腺からと考えられています。
唾液腺腫瘍の85%は耳下腺から発生し、耳下腺腫瘍の80%は良性です。一方で、顎下腺に発生する腫瘍では、その50-60%が悪性です。
唾液腺がんはその組織型が多彩で、1991年のWHO分類では18種類に分類されています。頭頸部がんは扁平上皮がんが多い中で、腺がんがほとんどである点が特徴的です。
唾液腺がんの症状としては、耳下腺がんを中心に、耳の下やあごの下が腫れて気が付くことがほとんどです。
腫れが急速に進行することで悪性腫瘍であることがある程度予測されますが、大きくなる速度が比較的遅いものもあり、進行具合だけでは両性と悪性の区別はつきません。
耳下腺の中を顔面神経が通過していることから、耳下腺がんでは顔面神経麻痺が出現することがあります。また、癌の一部では痛みが伴うことがあり、痛みは悪性腫瘍であることを疑わすサインであるとも言えます。