みみの病気
みみの病気
中耳炎は鼓膜の奥の中耳で炎症を起こす病気で、一般的に中耳炎と言われているのが急性中耳炎です。鼻の細菌やウイルスが、鼻の奥から中耳につながる耳管(じかん)を通って中耳に入ることで起こります。
比較的、子どもに多くみられますが、大人でもかかることもあります。成長途中の子どもは耳管が未発達で、十分な長さがなく、また角度も水平に近いため、菌などが侵入しやすいと考えられています。このため子どもは、かぜをひいたときにとくに中耳炎にかかりやすいといわれています。症状としては、鼻水やのどの痛みなどの症状に続いて、強い耳の痛みや発熱、耳だれ、耳がつまった感じ、聞こえにくさなどが生じます。うまく痛みを伝えられない乳児は、機嫌が悪くなってぐずったり、頻繁に耳に手を当てたりするなどの仕草がみられます。
急性中耳炎は治らない場合、慢性中耳炎などに移行し、手術が必要になることもあります。耳鼻咽喉科でしっかり治しましょう。
外耳炎とは鼓膜より外側の器官である外耳に炎症が起こっている状態です。耳かきによる傷、引っかき傷などからの細菌の侵入によって発症します。また、傷がある状態でプールを利用したり、長時間イヤホンを使用することで、細菌の侵入を招きやすくなります。
皮膚の表面は体のどの場所でも常に代謝が行われていて新しい皮膚が作られています。外耳道(耳のあな)でも同様に新しい皮膚が作られ、皮膚の一番外側の層がはがれてきます。このはがれてきたものを落屑上皮(らくせつじょうひ)といいます。それらに耳垢腺(じこうせん)から出た分泌物や、外耳道の毛、ほこりなどが混じったものが耳垢です。
耳の入り口から鼓膜までを外耳道といい、成人では約3.5cmの長さです。その外側3分の1を軟骨部(なんこつぶ)といい、毛嚢(もうのう)、皮脂腺(ひしせん)や耳垢腺(じこうせん)があります。したがって耳垢(耳あか)ができるのは外耳道の外側3分の1なのです。
人によって耳垢には湿ったもの(湿性耳垢)と乾いたもの(乾性耳垢)があります。日本人は乾性の人が多いのですが、それらの性質は遺伝子で決まっており、湿性耳垢の方が優性遺伝をします。
乾性耳垢は「硬性耳垢」や「粉耳」、湿性耳垢は「軟性耳垢」や「あめ耳」などとも呼ばれています。
人は音源から生じた空気の振動を感じて音を認識し、音により生じた鼓膜の振動は、鼓膜の奥の小さな骨(耳小骨)を伝わり内耳に到達します。内耳では振動を電気信号に変換し、聴神経を伝わり脳へ到達して音として認識されます。難聴は、この工程が障害されることで起こります。音の振動がうまく内耳まで伝わらないことで生じる難聴を伝音難聴といいます。内耳が障害されたり聴神経がうまく伝達できなかったりすることで生じる難聴を感音難聴といいます。
伝音難聴を生じる病気には鼓膜穿孔や中耳炎、耳小骨先天異常などがあり、感音難聴には、突発性難聴や内耳炎、加齢性難聴、聴神経腫瘍などがあります。
鼻と耳は、耳管という管でつながっています。耳管は耳の中の圧力を調整する機能を持ちます。耳管は普段は閉まっていて、唾をゴクッと飲み込んだり、あくびをしたときだけ瞬間的に開き、すぐにまた閉じます。しかし、何らかの原因で閉じきらず、開いている時間が長くなる(もしくは開きっぱなしになる)ことがあります。耳管がしっかり閉じなくなるこの病気を「耳管開放症」といいます。